リストランテ・パラディーゾ / オノ・ナツメ
タグ:☆5, 完結, 文学的, 画力がすごい, 短いの, 萌える
| ストーリー | |
|---|---|
| キャラ | |
| 絵の魅力 | |
| 演出 | |
| 個性 | |
| 中毒度 | |
| おすすめ度 (総合) |
今回のおすすめ漫画は、オノ・ナツメ『リストランテ・パラディーゾ』。全1巻です。
最近テレビアニメ放映がスタートしたようなので、このタイトルをどこかで目にした人も多いんじゃないでしょうか。紳士・老眼鏡萌えの婦女子必見の名作です。
私の妹も「ごめん、ちょっと私そういうの興味ないから」とか言ってたくせに、無理矢理読ませてみるとコロッとやられてました。やっぱりクラウディオが好きなんだとさ。まーしょうがない。俺も萌えたし。アブねえ。
なんかそういう理由で、迷ったんですが、ジャンルを「レディースコミック」にしときました。反論お待ちしてます。
さて本題。
オノ・ナツメという人は、非常に大人っぽい物語を描きますね。イタリア映画を見ているようなダイナミズムの無い淡々とした物語の中に、多種多様の現実の重みが紛れ込んでいます。それをさらりと描くのが上手い。感心します。
日本を舞台にしてこれをやるとたぶん地味すぎて売れないと思うので、イタリアにしたのは英断だと思います。海外を舞台にしたマンガは色々ありますが、この『リストランテ・パラディーゾ』もそのような名作のうちの一つ。イタリアならではの人間の交流のスタイル、生活、文化に憧れてしまいます。高校生とかがこれを読んだら海外留学してしまいそうな感じ。
かく言う私も、実は今回のレビューのために『リストランテ・パラディーゾ』を読み返していたところ、急にイタリアンを食べたくなってしまい、急遽近くのトラットリアを予約する羽目になったという。
そしてそのイタリアンは美味しかったという。
素晴らしいですね。
漫画体験とはかくありたいものです。
オノ・ナツメの描く線は独特で、ここに掲載しているコミック表紙の小さなサムネイルにすら個性が表れていると思います。これは作者の持つ唯一無二の魅力でしょうね。この絵が嫌いだという人はいないでしょう。特に表紙やイラストに見られる版画のような野太くスタイリッシュなラインは、足してゆくのではなく引く、つまり削って描いているんだそうです。
キャラクターの造形はヨーロッパの影響が強いと思いますが、それを日本的なものに落とし込めるところが器用だと思います。彼女は他にもいろいろなスタイルでいろいろな物語(絵本風から江戸物まで)を描いていますが、それも納得です。今時珍しい実力派だと思います。
演出という「マンガ的手法」には、それほど長けているとは思えません。やはり基本的には絵を楽しませるタイプのマンガ家だと覆います。
ただし、☆を見てもらえればお分かりの通り、オノ・ナツメは非常に品があり奥行きのある大人の話を描ける作家ですので、そのような物語の魅力と絵の魅力が重なり合い、混ざり合い、巡り愛、その結果「おすすめ度」がオール5になったりするわけです。
リストランテ・パラディーゾ。
こんなレストランがあればいいのに。こんな人々が私の友人にいればいいのに。読者は彼らの街に憧れ、彼らの生活に憧れ、そして老眼鏡と紳士に萌える。
実はそれはこのマンガの本題ではないのですが(本題は主人公ニコレッタと母親の確執でこれもいい話)、そんな憧れだらけの世界に生きる人々が抱える問題は、我々の抱える問題とさほど変わらず、そうだよね、みんなそういうもんだよ。と思いながら、でもやっぱり憧れる。
『リストランテ・パラディーゾ』はそんな読んでいて気持ちのいい、一種の郷愁に似た快感すら覚えるような、何とも言えない素敵な世界にあなたを招待してくれます。
カテゴリー:レディースコミック | trackback(0)
| 2009/04/16 11:31 PM | ![]()







