GENTE / オノ・ナツメ

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ストーリー star5
キャラ star5
絵の魅力 star5
演出 star3
個性 star5
中毒度 star4
おすすめ度
(総合)
star5

今回のおすすめ漫画は、オノ・ナツメ『GENTE』です。全3巻。
これは前回レビューした『リストランテ・パラディーゾ』の続編というか番外編なんですが、前回『リストランテ・パラディーゾ』を読み返した際、勢いに乗ってそのままこの『GENTE』まで読み切ってしまったので、これを機会に感想を書き留めておこうと思います。

『GENTE』は番外編ということで、前作の主人公であったニコレッタにまつわるエピソードは影を潜め、代わりにリストランテのスタッフの面々のサイドストーリーが語られます。
時系列では『リストランテ・パラディーゾ』以前のリストランテを始める頃から語られますが、途中でニコレッタが登場し、 結局3巻で『リストランテ・パラディーゾ』を追い越してしまう構成になっています。
『リストランテ・パラディーゾ』ではニコレッタの若き恋が多く語られていたと思いますが、本作は一転して、より大人の物語へと変質しています。淡い恋心ではなく、確信犯的な大人の駆け引きや、孤独や、幸せが描かれます。
これがまたいいんだ。
オノ・ナツメは確か私とそれほど年齢が変わらなかったと思いますが、読んでいて、なんでこんな人の気持ちを描けるのかなあと感心します。やはり恋愛にまつわる繊細な描写に関しては女性の方が長けているのでしょうか。

前回のレビューで私は「彼らの日常、生活に憧れる」と書きましたが、この『GENTE』ではその魅力がさらに強く輝いています。皆が働くリストランテ「カゼッタ・デッロルソ」を「小さな家」と読ませる作者の思いは、スタッフ一人一人の生活、恋、日常を丁寧に描くことにより、読み手に充分に伝わります。
実はですね、私も同じような体験をしてるんですね。以前、創作料理のダイニングレストランで働いていた経験があって。親戚がやってるんですけど、その店はとてもオシャレで、料理がとても美味しくて、まかないが豪勢でね。シェフは厳しく、時に優しく、レシピを教えてくれたり、まかないを作ってみろと言われたり、私はホールだったので厨房にはほとんど(怖くて)入りませんでしたが、まかないを皆で一緒に食べたり、時々ケンカもしてましたけど、アットホームな店で。
今でもたまに食べに行きますが、『GENTE』を読んでいるとその頃の記憶がよみがえってくるので、なんかたまりませんね。作者もホールやキッチンでバイトとかやってたんじゃないかなと思います。

まあそんなわけでいささか贔屓目が入っているのかも知れませんが、この作品を読んだ人は誰でも、私のような追憶の体験ができます。それがマンガ体験というやつです。素晴らしいです。
まるで自分がその街に住む客の一人として、あるいはスタッフの一人として、毎日の日常を共有し、少し笑ったり、少し悲しんだりして、エスプレッソでも飲みながら、ふと窓から薄曇りの空を見上げる。
『GENTE』はそんなマンガです。

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