ヒカルの碁 / 原作:ほったゆみ 作画:小畑健
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今回のおすすめ漫画は、かつて世間に「囲碁ブーム」を巻き起こしたと言われている『ヒカルの碁』、全23巻。
これ簡単に言ってますけど、実はものすごいことなんですよね。その時の囲碁ブームって、あちこちで囲碁が流行っていて、その流れに乗って囲碁漫画がジャンプで連載されて遂にブームに火が付いた! とかだったら分かるんですが、全然そんなことなかったんですよね。
つまり、それまで囲碁に全く興味を持ってなかった人が、何の前触れもなく、このマンガを読んで次々に囲碁を始めたということです。全国のサッカー少年やダンス好き高校生、ネットショッピングに夢中の奥様、不倫がバレてピンチなお父さん、さらには海外翻訳されたおかげでアメリカのジョージやマイケルやメアリーたちもが碁(GO)を始めたという。
ね?
すごいでしょ?
お前そのマンガどんだけおもろいねんって。
そんなブームを引き起こした『ヒカルの碁』ですが、その原因は明らかです。
今回の私の評価はご覧の通り、各項目に高得点をつけましたが、この作品を語るにおいて☆5程度ではとうてい収まらない項目が一つだけあります。
それは「演出」。
このマンガは、演出力だけであらゆる人の心を奪い去ったと言っても過言ではないでしょう。見せ方の巧さが飛び抜けています。事実、『ヒカルの碁』のファンの大多数の人々と同じく、私も全く碁のことが分かりません。
何度もこの作品を読み返しているにも関わらず、最低限のルールさえ知りません。オセロとどう違うのかすら分かっていません。白を黒で挟んだら取れるの? ちがうの? というレベルです。
しかし、そんなことはこの作品の評価に一切関係しないのです。しかもルールや勝負の内容が省かれているのではありません。きっちりと描かれていますし、おかげでプロ棋士の中にもこの作品の愛読者は多いそうです。それにも関わらず、見せ方が巧すぎるせいで誰が読んでも面白い。それこそが『ヒカルの碁』の魅力の真骨頂だと思います。
では物語の質はどうなのか。
正直、上記のような演出力だけでは「感動」ではなく「感心」止まりだったと思います。へーそれすごいね、みたいな。
ところが、囲碁ブームの礎となったこの一作、もちろんそんなことは無い。
私的に、作品の評価として「泣ける!」とか「感動する!」とかいうのは安っぽくてあんまり好きじゃないんですが、それでも断言します。
この作品の後半付近、とある箇所で誰もが泣きます。
ダバァーって泣きます。
もうあのシーンだけでいいんじゃないでしょうか。
ああいうシーンが描けさえすれば、その漫画は名作なのではないでしょうか。
しかも、この作品を読んで本当にプロ棋士になってしまった人も何人かいるようで、物語の本質と相まって、なんだか泣けてきます。
またこの『ヒカルの碁』は作画が小畑健ということで、非常に美しいタッチが楽しめるのも魅力です。昔から線が細くて綺麗な人だとは思ってましたが、まさかここまで成長するとは思いもよらず。偉そうですが。
絵を描く人ならすぐに気付くと思いますが、小畑先生のタッチは非常に丁寧です。週間連載とは思えないほどきめの細かなラインを描きます。特に髪の描写などは素人ながらに見とれてしまいます。すげえなあ、職人だなあと。
絵が雑でも内容がおもしろければ支持される、今の細分化した漫画界において、こういった職人芸を見せてくれる作家が残っていることを個人的にありがたく思っています。
以上『ヒカルの碁』の感想でしたが、さてどうでしょう。この作品を知ってるけれどコミックは読んだことが無いっていう人、いるんじゃないでしょうか。いたら挙手しなさい。
あ、いましたね。そうそうおまえ。そこのおまえ。
ネットなんか見てないでヒカルの碁を今すぐ買って読め!!!
カーッ!!!!
そしたらあなた、ひょっとすると囲碁を始めてしまうかも知れませんよ?
カテゴリー:少年コミック | trackback(0)
| 2009/05/08 1:29 PM | ![]()






