サンクチュアリ / 原作:史村翔 作画:池上遼一

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ストーリー star5
キャラ star5
絵の魅力 star4
演出 star4
個性 star3
中毒度 star4
おすすめ度
(総合)
star5

今回のおすすめ漫画は史村翔原作、池上遼一作画の『サンクチュアリ』、全12巻(文庫版は全8巻)。
いつものようにレビューするにあたり読み返しましたが、目の周りがまだカピカピした状態でこれを書いています。
前回のレビューと全く同じ展開です。
うええええん。

見ての通り、劇画タッチのおっさん向け漫画です。
1冊につき最低3ページはお姉ちゃんのセックスシーンが登場します。もちろん全員巨乳です。
しかも登場人物がヤクザなので大抵は「おらあああ!!」というかけ声です。
お姉ちゃんは決まって「ヒィィィィ!!」とか「あああん!!」とか言ってます。
が。
いいんですそんなことは。
お姉ちゃんの巨乳が気にならないくらい、『サンクチュアリ』は漫画作品として優れているんです。
これもまた、☆5のおすすめ漫画。

かく言う私も、全然興味なかったです。最初は。
友達に勧められて、そいつが読め読めとうるさいので、えー劇画かよーと思いながら手に取ったことを覚えています。
しかも1巻の初版が1990年、古典に入るくらいの古い漫画、ん? ヤクザ? 政治家? ボディコン? おっさんの好物満載ですなーと、かなり穿った目線で読み進めていったんですが。
気付けば前述のように、なぜか目から大量の汗が!!!

これ、ストーリーっていうか設定がかなり秀逸です。
これと同じような設定の作品が他にあるのか私は知りませんが、設定勝ちってところはあります。こんなん面白いに決まってるやんけと。

★その設定に関して少しネタバレ★(クリックすると下に開きます)

若いヤクザと若い政治家。実は二人は幼い頃カンボジアで出会い、お互いが将来日本を動かすことを約束し合う。表の世界、裏の世界、二人はジャンケンでそれぞれの道を決め、お互いの道の頂点を目指す……

ねー。既になんかアツいですよね。
私は他の劇画作品を読んだことが無いので、これが一般的なのかどうか分かりませんが、『サンクチュアリ』は全編を通して男の美学、男の世界、男の生き様、を描いています。
まあそれは古くさいというか団塊親父そのまんまの世界観なんですが、その辺の親父とは違い、ヤクザや政治家のトップが見せる美学ってのは、なかなか心にくるものがあります。
さらに付け加えると、『サンクチュアリ』で描かれる男のカッコ良さというのが、体育会系+頭脳系であるということです。例えば本宮ひろ志センセイ系のアツさではなく、それに加えて計算高い男も美しく描かれる。
それは何よりもヤクザと政治家という二者を主人公に選んだ、この作品ならではの美学だと思います。

絵の魅力としては…一応好き嫌いがあるかと思って☆4にしておきましたが、私は池上遼一先生の描く「顔」は大好きです。わざわざ「顔」とカギ括弧つきで書いたのは、たぶん先生、「顔」にしか興味ないんじゃないでしょうか。
というのも登場人物たちの「顔」の書き込み、すなわち迫力がハンパではないからです。
ストーリー上、どうしても嘘っぽくなる場面、ああ所詮はマンガだなーと素に戻りそうになるような非現実的な場面があっても、池上先生の描く「顔」の説得力のおかげで助かっているところが多々あるように思います。
特に政治家の顔なんてリアルどころじゃないですよ。実在の人物のトレースかと思います。その顔が苦痛に歪んだり、勝ち誇ったり、檄を飛ばしたり、そういうのを見てるだけで物語に飲まれてしまうんですね。

政治、と言っても特に難しい話ではありません。
女子高生でもたぶん読めると思いますし、この作品が描いているものは何も政治やヤクザに限った話ではありません。
『サンクチュアリ』は読者一人一人に対し、今を生きる人間として、今の自分がどういったところに立っていて、これからどう生きていくのか。そんな根源的なところをアツく声高に訴えかけているのです。
なんか私も感化されてますが…

まあそういうわけで、これは日本における夢、男が望むヒーロー、そして友情の話です。
今の自分に何かが不満だ、元気が出ない、そんな疲れたお父さんたちはもちろん、男たちのドラマに感動したい人、ムキムキ男に「このアマ!」と呼ばれたい女性、巨乳好きの人、タバコが好きな人、お金が好きな人は、ぜひ一読をおすすめします。
主人公の二人がカッコいいんですよねえ。

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