無限の住人 / 沙村広明

無限の住人(1)
ストーリー #
キャラ #
絵の魅力 #
演出 #
個性 #
中毒度 #
おすすめ度
(総合)
#

うわーーー終わっちゃった。終わったよーむげにんがー。あー。
あー。
あー……

ということで今回のオススメ漫画はむげにんこと『無限の住人』、全30巻。
ほら、←左側の管理人おすすめコーナーに載ってるでしょ。
ずっと読んでたのよ。ずっと勧めてたの。
でも終わっちゃったの。
今回レビューのタイトルに「無限の…」て書いてて、うわー終わったんだなと(しつこい)。

では改めて『無限の住人』レビューです。
作者は沙村広明先生。以前にもこれとかこれとかこれとかをレビューしてますが、まあようするにファンなんですが、本作は先生の唯一の長編シリーズということで、過去レビューした作品とは全く毛色が異なっています。
どう異なっているかというと、本作は真面目な作品であり、大人な感じであり、無慈悲であり、緊張であり、感動もする。短篇にあるようなお笑いとパロディメインのサブカルな感じはほとんど表に出て来ません。

沙村広明の特長は、画力やエロは言うまでもなく、サブカルや笑いを封印してガチのシリアス長編を描かせても面白いという器用さにあるんじゃないでしょうか。もちろんただ器用なだけじゃありません。笑いを封印して、真面目に描いて、ああ真面目な話ですねというような、単純な人ではないのです。
笑いを封印した結果、そこには大人の沈黙が漂っています。そしてまた同時に、大人の世界の無慈悲さがあります。これは子供に夢を見せるための作品ではなく、子供に大人の世界の冷たさと、怖さと、緊張を刷り込ませるような物語です。

大人の冷たさ、無慈悲さとは何か。
普通、ヒロインがピンチになっても、まあ助かるじゃん。だから読者としては、ピンチのヒロインがどういう方法で助かるんだろうと、その次の展開を予想するでしょ。
でもこの作品にはその甘さがない。あ。ヒロイン、死ぬかも。読者に本気でそう思わせる。
それはべつに江戸時代の武士同士の斬り合いを描いた、人が死にやすい物語だから、という理由だけではないように思います。作中に、常にそういうピリピリしたムードがあるんです。
そのムードはどこから出てくるんでしょうか。思うに、登場人物の考え方とか、判断基準とか、生い立ちとか、この状況でそんなセリフを吐くか? とか、そんな小さな一つ一つの出来事が、やけに現実感を伴って読者に迫ってくるから、なんじゃないかなあ。
あいつら、みんなすごいシビアなんですよ。
口に出して語らないけど、みんな筋が通ってるし、みんな武人としての覚悟がある。その上で悩み、自問自答し、結論を下し、行動する。

この作品の魅力を考えてたら、なんかそんな話になりました。
一般的には、殺陣がかっこいいとか、女がエロいとか、グロすぎて無理とか、時代考証めちゃくちゃとか、万次弱すぎとか、エロいとか、グロいとか、巷では色々言われてますけど、僕が読み続けてきて、新刊が出るたび発売日にダッシュして、緊張しながら最初のページを開き続けてきた理由は、やっぱりそこなんじゃないかと思います。

ということで「無限の住人」全30巻、わたくし自信を持ってオススメします。


【追伸・最終巻読んだやつへ】
1.表紙をじっくり見ます
2.205幕の扉絵を見ます
3.表紙カバーを外します
4.半泣きになりつつ改めて1ページ目を見ます
5.涙腺決壊

無限の住人(1) 無限の住人(1)
著者:沙村広明
価格:540円(税込、送料込)

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